素材から導く、確かな色彩表現

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空間デザインにおいて、色彩はしばしば、単なる「視覚的な仕上げ」として扱われがちです。後から付け足されたり、誰もが受け入れやすいように曖昧な色調にされることが少なくありません。しかし、素材が主役となるデザインでは、色彩は空間の雰囲気や人の感情を揺り動かすための重要な要素となります。

インテリア建築家およびバイヤーのための実践的視点

マドリードで開催された私たちのイベント「Chromatic Lab」において。The Color Authorityの創設者であり色彩のエキスパートであるJudith van Vlietは、「色を自信をもって使いこなすためには、その色が素材、とりわけレザーとどのように影響し合うかを理解することから始まる」と強調しました。Judith van Vlietは、色彩をより明確な根拠と自信を持ってアプローチするための5つの視点を紹介しています。

1. パレットではなく、まずは「感情」から始める

色彩は、レンダリング画像や資料の上だけで判断されがちです。しかし、実際の空間体験とは、本来五感で味わうものです。

「最も重要なのは、その色がどう見えるかではなく、その空間の中で、光との関係性において人の心にどう響くかだ。」

レザーにおいて色彩は、単なる表面的なスタイリングではありません。温もりや手触り、深みによって、空間の空気感を醸成し、豊かな暮らしの体験そのものを形作ることなのです。

2. 素材によって変化する、色彩の本質を理解する

 

色は決して、素材なしには存在し得ません。仕上げ、構造、そして光の反射や吸収の仕方によって、見え方はまったく異なってくるのです。

「同じ色であっても、マットとグロスでは表現がまったく異なる。そこにテクスチャーやエンボスが加われば、表現のレイヤーはさらに重なる。」

マットなレザーは色彩を優しく和らげ、ツヤは色彩をより鮮やかに引き立てます。そして、天然皮革ならではの表面のシボは色に複雑な表情をもたらします。デザインの初期段階からこうした素材の知識を取り入れることで、より細やかなニュアンスを持った高い色彩計画につながります。

「同じ色であっても、マットとグロスでは表現がまったく異なる。そこにテクスチャーやエンボスが加われば、表現のレイヤーはさらに重なる。」

3. 触れることで色彩を理解する

 

建築の設計プロセスにおいて、色彩は時として抽象的なものに感じられることがあります。しかし、実際に手で触れることで、それは直感的に理解できるものへと変わります。

「レザーを実際に手に取って作業することで、色、テクスチャー、そしてエンボスを直接確認することができた。その場で得られるリアルな手応えが、色に対する理解の仕方をガラリと変える。」

デザイナーに、五感での色彩体験をもたらすレザーは、選択の不確実性を減らし、より意図的で洗練されたカラープランニングを支えます。

「レザーを実際に手に取って作業することで、色、テクスチャー、そしてエンボスを直接確認することができた。その場で得られるリアルな手応えが、色に対する理解の仕方をガラリと変える。」

4. 普遍的ルールではなく、その空間に寄り添う色を考える

 

ニュートラルな色使いは、多くの人に好まれやすいためによく使われます。しかしその結果、どこにでもあるような、個性のない空間を生み出してしまうことがあるのです。

「色とは、人、用途、そして光に呼応して初めて意味を成すものだ。全員に好かれようとすれば、デザインは白やグレー、ベージュばかりに落ち着いてしまう。」

クラフトマンシップや伝統の背景を持つレザーは、その空間のアイデンティティに、色彩をしっかりと結びつける役割を果たしてくれるのです。

5.意思を持ってニュートラルカラーの一歩先へ

 

控えめで落ち着いた色調が選ばれる背景には、明確な意図というよりも、単なる「失敗したくないという心理」の表れであるケースが少なくありません。

「ニュートラルカラーは、失敗を恐れて選ばれがちだが、繊細なトーンのバリエーションと素材の豊かさを取り入れることで、空間を圧迫することなくその場所ならではの個性を表現できる。」

レザーは、色調、仕上げ、そしてテクスチャーを緻密にコントロールすることで「静寂と自己表現」の絶妙なバランスをもたらしてくれる見事な媒介役となります。

About Judith van Vliet 氏について

 

Judith van Vliet氏は、カラーエキスパートであり、色彩の専門組織「The Color Authority」の創設者です。これまで世界各国のブランドやデザインチームと協働し、カラー戦略や素材の選定、そして人の心に響くエモーショナルなデザインを手掛けてきました。 同氏の提唱するデザインは、実際のモノや空間の背景において、色彩が私たちの心理や感覚にどのようなインパクトをもたらすか、という点を常に追求しています。